政府が推進する次世代スーパーコンピュータの投資額が、当初予定を上回る可能性があることが分かった。スパコンのアプリケーションソフトの開発や共用施設の建設で追加投資が必要であると判断したため。(関連記事

 「(NECと日立が製造する予定だった)ベクトル部の予算は差し引くが、次世代スパコンの共用施設やネットワーク回線、次世代スパコンで稼動するアプリケーション開発への投資を考えるとむしろ予算は増える可能性がある」と文部科学省の井上輸一スーパーコンピュータ整備推進室長は説明する。具体的な予算の増減額については「試算中」として言及しなかった。

 ハードウエア以外への投資を重視する理由について、井上室長は「システム構成の大枠が決定したことで、今後はいかに利用者が使いやすくするかが重要となる。バイオなど今後の国内研究を加速させるための重点分野のアプリケーション開発は欠かせないと考えている」とした。

 次世代スパコンは当初、1154億円の予算で開発が進められていた。NECと日立製作所が撤退して富士通1社が製造することになったことで、予算の減額の可能性が注目されていた。