米GoogleのCEO,Eric Schmidt氏が米Appleの社外取締役を辞任する意向であると,英米メディアが米国時間2009年7月10日に報じた。Googleはオープンソースのパソコン用OS「Google Chrome OS」の開発を2009年7月8日に発表(関連記事:“Google OS”ついに出現,2010年後半デビュー)。これが米Microsoftの「Windows」だけでなくAppleの「Mac OS」とも競合するため,同氏の立場に関心が集まっている。

 Schmidt氏は2006年8月よりAppleの取締役会に参加している(関連記事:Google会長兼CEOのSchmidt氏,Appleの取締役に)。英Reutersの報道によれば,同氏はGoogle Chrome OS発表の翌日,IT業界やメディア業界の幹部が集まる会議(投資銀行の米Allen & Coが主催)で,Appleの取締役を降りるかどうかについてAppleと話をするつもりであると発言したという。

 また米CNET News.com米Internetnews.comによると,Google Chrome OS発表以前から,同氏がGoogleとAppleの取締役を務めていることについて,米連邦取引委員会(FTC)が独占禁止法に触れるとして調査に乗り出していた。両社はこれまでも,Webブラウザ(ChromeとSafari)とモバイル向けプラットフォーム(AndroidとiPhone OS)ですでに競合の関係にある。

 Google Chrome OSは,Chromeの利用に特化したLinuxベースの軽量OS。年内にソース・コードをオープンソースとして公開する見通しで,当初はネットブックでの利用を想定する。2010年後半に消費者向け製品の市場投入を見込んでいる。

 x86とARMの両プロセッサで動作し,Linuxカーネルをベースに新規開発のウインドウ・システムを搭載している。数秒で起動してWebにアクセスできる高速性と,ユーザーがマルウエア対策やパッチ適用などに手間をかけずに済む新たなセキュリティ・アーキテクチャを目指す。

 Googleによると,台湾Acer,米Adobe Systems,台湾ASUSTeK Computer(ASUS),米Freescale,米Hewlett-Packard(HP),中国Lenovo,米Qualcomm,米Texas Instruments(TI),東芝などが同OSのサポートを表明しているという(関連記事:「Google Chrome OS」は無償提供,AcerやASUSTeK,HPなどがサポート)。