アドビシステムズは2009年7月8日、開発支援ツール群「Flash Platform」の新版に関する説明会を開いた。デザイナー向けの新製品「Flash Catalyst」、IDE(統合開発環境)の新版「Flash Builder 4」の2種類。ポイントは「デザイナーとプログラマの間で、スムーズなワークフロー(作業連携)を実現したこと」(米アドビのエバンジェリストであるエンリケ・デュボス氏)。デザイナーがCalatlystを使ってシステムの画面や画面間の遷移などを設計。結果のデータをBuilder 4に読み込んで、プログラマがコードを書いたりデータを割り当てたりできる。

 デュボス氏はCatalystについて、「従来の静的なものではなく、ライブな(動作可能な)デザインを作成するためのツール」と説明する。PhotoshopやIllustlatorといった描画ソフトで作成した画面のデータを読み込んで、ボタンや文章入力欄といったGUI部品とみられる部分を自動抽出。各部品にグラフィック効果を設定したり、クリックした場合に呼び出す次画面を設定したりといった操作を、コーディングせずに実行できる。

 設定した動作は、Catalyst上で確認(プレビュー)できる。従来はこれらの動作を定義するには、MXMLやActionScriptといった言語を使ってコードを記述する必要があった。

 動作を設定したデザイン結果のデータは、Builder 4に読み込んでロジックやデータを追加できる。Builder 4は「サーバー側の様々なデータソースを容易に読み込めるデータ中心開発を可能にする。コーディング支援やテスト機能、デバッグ機能を強化した」(デュボス氏)。

 米アドビは6月2日に、両製品の公開ベータ版の提供を開始した(参照)。Flash Builder 4は新版のベータ公開と同時に、ブランドを従来の「Flex」から変更した。