写真●NECビッグローブの戦略ビジョンを説明する飯塚久夫代表取締役執行役員社長
写真●NECビッグローブの戦略ビジョンを説明する飯塚久夫代表取締役執行役員社長
[画像のクリックで拡大表示]

 NECビックローブは2009年7月8日,東京都内で報道機関向けの説明会を開き,今後の経営戦略を説明した。登壇した飯塚久夫代表取締役執行役員社長(写真)は「今後,パーソナル領域のクラウド・サービスに注力していく」と述べた。

 飯塚社長は,現在のインターネット・サービスがネットワーク上から様々な機器にサービスを提供する“クラウド”形態に加速度的に移行していると分析。その一方で,ユーザーは膨大な情報や多様なサービスをうまく使いこなせていないと指摘した。この問題を解決するために,インターネット・リテラシーによらず誰でも必要なサービスと必要な情報を得られるようにユーザーを手伝いをする存在を,NECビッグローブは目指すという。「ISPはこれまでインターネット・サービス・プロバイダの略だったが,今後はインターネット・サービス・パートナーになっていく」(飯塚社長)。

 ユーザーごとに必要なサービスや情報を提供していくには,サービスのパーソナライズ化が必要。そこで,ユーザーの写真や移動履歴,Webの閲覧履歴,購買履歴などをNECビッグローブのサーバー上に蓄積し,ユーザーの趣味や嗜好,行動に応じたサービスを提供していくという。そうしたサービスの一環として,米マイクロソフトのWindows Live IDとBIGLOBE IDの連携や,BIGLOBE管理下にあるサイトでのリコメンド機能,写真共有サイトの提供などの取り組みを紹介した。

 なお,インターネット・サービスは無償という形が一般的になっており,サービスで収益を上げるのは難しい状態である。これについては,広告モデルを追求する一方,サービスやコンテンツに対して小額課金をする“iモード”モデルを検討しているという。