スペインPanda Security(旧Panda Software)の研究機関であるPandaLabsは米国時間2009年7月6日,同年第2四半期のマルウエアに関する調査結果を発表した。新たに検出されたマルウエアで最も多いのはトロイの木馬で,全体の70.85%を占めた。2位は,前期からシェアがほぼ倍増したアドウエア(16.37%),3位は前期比6.25ポイント減のスパイウエア(6.9%)だった。

 感染件数ベースのシェアをみると,被害を最も拡大したのはトロイの木馬(34.37%)で,前期から2.86ポイント増加した。とりわけ,ほかのマルウエアをダウンロードする「Downloader.MDW」の被害が顕著だった。アドウエア(19.62%)が前期から1.51ポイント減少したものの,ほぼ同様の勢力を維持している。ワーム(12.53%)は前期比0.89ポイント増加した。

 国別にみると,マルウエアに感染したパソコンが最も多いのは,前期に続き台湾(33.63%)。次いで,トルコとポーランド(いずれも30%弱)だった。一方,マルウエアの感染が最も低いのはフィンランド(12.17%),ノルウェー(12.48%),スウェーデン(14.20%)だった。

 また,第2四半期はミニブログ・サービス「Twitter」を悪用したマルウエアが被害を広げた。4月に,感染ユーザーのプロフィールを閲覧することで感染するワームが登場したほか,6月には「BlackHat SEO」という手法を使い,Twitterで話題の単語やキーワードを悪用して,悪意のあるリンクに誘導する攻撃が蔓延した。

 
■2009年第2四半期のマルウエア被害ワースト10
 1   Trj/Downloader.MDW
 2   Spyware/Virtumonde
 3   Trj/Rebooter.J
 4   Trj/Lineage.BZE
 5   W32/Bagle.RP.worm
 6   Adware/AccesMembre
 7   Adware/SystemSecurity
 8   W32/Waledac.AS
 9   Adware/Lop
10   W32/AutoRun.DJ.worm

出典:Panda Security

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