米IDCはシンガポールと香港で現地時間2009年7月3日,日本を除くアジア太平洋地域のインフラ管理ソフトウエア市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場は2007年まで2桁の成長率を維持してきたが,2008年は前年比7.6%増の15億ドル規模にとどまったという。

 IDCの上級リサーチ・マネージャを務めるDaphne Chung氏は,「世界不況の影響で,企業はインフラ管理プロジェクトのコストを削減したり,実施を延期したりするようになった。そのため,インフラ管理ソフトの販売サイクルが以前よりも長くなった」と分析する。

 インフラ管理ソフトの売上高を業種別に見ると,金融サービス業界の減速がもっとも顕著で,成長率は前年より7ポイント低い11%だった。通信/メディア業界も前年と比べ成長が鈍化した。

 しかしIDCは,景気が底入れし,2010年には市場が回復する,と見ている。Daphne氏は「変化するビジネス要件に対応しながら,コスト節約と効率向上を実現するには,問題管理やパフォーマンス管理のためのソフトが必要になる。ベンダーにとって,インフラ管理ソフトはまだ魅力的な市場だ」と指摘する。

 IDCの定義では,インフラ管理ソフトには,システム/ネットワーク管理ソフトとストレージ関連ソフトが含まれる。

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