米連邦取引委員会(FTC)は米国時間2009年7月2日,虚偽の広告メールによって不正に収益を得た企業と個人に対し,米連邦地方裁判所が370万ドルの支払いを命じたと発表した。支払い命令を受けたのは米国とカナダに拠点を置く3社と2人。FTCが,スパム撲滅に向けて他国の法執行機関との連携を可能にする法律「U.S. SAFE WEB Act(Undertaking Spam, Spyware, And Fraud Enforcement With Enforcers Beyond Borders Act)」を行使した初の事例となる。

 経緯は次の通り。まずFTCは2007年10月に,不正な電子メールを配信して,大幅な減量が可能という植物エキスと,老化を抑止できるとするホルモン活性剤を販売していた4社と4人を提訴した。FTCによると,宣伝されている効能に根拠はなく,送信元のアドレスが偽装であるほか,メールにはオプトアウト(受信拒否手続き)に関する記載がなかった。

 裁判所は,これら被告が効果の実証されていない健康食品などの販売を禁じるスパム対策法「CAN-SPAM Act」と,連邦法に違反したと判断した。FTCは2008年5月に,4社と4人のうち,米国の1社,および米国とオーストラリアに在住の2人と和解している。

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