米Sun Microsystemsは米国時間2009年6月30日,クロスプラットフォーム仮想化ソフトウエアの新版「Sun VirtualBox 3.0」を発表した。マルチプロセサ対応仮想マシンの作成および稼動のサポートにより大量のデータ処理に対応可能になったほか,グラフィックスのサポートを強化した。

 新版は,仮想SMP(対称型マルチプロセサ)システムのサポートを追加した。1つの仮想マシンで最大32個の仮想CPU(vCPU)をサポートする。マルチプロセサのサポート強化により,デスクトップ・レベルだけでなく,サーバー・レベルのワークロードにも対応可能となった。

 このほかにも,Webコンソールを通じてデータセンターを管理できるようにするVirtualBox Web Consoleプロジェクト向けにAPIプラットフォームをアップデートした。Windowsゲスト向けにDirect3Dのサポートを追加し,仮想環境においてコンピュータ・モデリング,3Dデザイン,ゲーム・ソフトウエアといったWindowsアプリケーションを実行できるようになった。

 また,新版はグラフィックスAPI仕様「Open Graphics Library(OpenGL)2.0」をサポートするほか,ストレージ機器やiPodといったUSB機器のサポートを追加した。

 Sunによれば,VirtualBoxは2007年10月以来,累積ダウンロード数が1450万件を超え,登録ユーザー数は400万人に達した。1日当たり2万5000回以上ダウンロードされているという。

 VirtualBox 3.0は, SunのWebサイトからダウンロードできる。ソースコードとして提供されているOpen Source Editionもある。個人使用の目的では無償で利用できるが,企業向けにはサポート付きのサブスクリプション・モデルを用意する。価格は1ユーザー当たり年間30ドルから。

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