写真1●NTTとNTTレゾナントの実験サービス「ブログレンジャーQA」
写真1●NTTとNTTレゾナントの実験サービス「ブログレンジャーQA」
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 NTTとNTTレゾナントは2009年6月29日,ブログによる質問・回答をたばねて仮想Q&Aサイトを生成する「ブログレンジャーQA」の実証実験を開始した(写真1)。国内主要ブログ・サービスおよびトラックバックをかけた個人ブログを対象に,質問記事を自動判別。質問記事を仮想世界の地図として提示することで,ブログ間のコミュニケーションを誘発する。

 ブログレンジャーQAは,ブログ記事からのQ&Aスレッドの自動生成と,生成したQ&Aを地図にマッピングする技術で構成する実験サービス。ブログ記事から質問記事と分類用キーワード(タグ)を自動抽出し,タグの集合(タグクラウド)を仮想的な世界地図(タグマップ)に配置する。地図上では,質問・回答のあるタグを陸地,質問・回答のないタグを海として描画。質問・回答の多いタグを隆起のある大陸として描画するなど,コミュニケーションを動機付ける利用者のゲーム感覚を刺激するような仕掛けを盛り込んだ。両社が2007年から実証実験を進めてきたブログ記事群を地図として描画する実験サービス「BLOGRANGER TG」の後継に当たる。

 現在の実験サービスでは,ブログ記事のタイトルにある「教えて」または本文中の「ブログレンジャー」というキーワードを識別子として質問記事を抽出する仕組みになっている。タグの自動抽出に十分な量の文章がある記事を分析してタグマップに配置。ユーザーがタグマップのタグをクリックすると,質問一覧が表示される。回答は質問ブログを参照後,回答者自身のブログに記事として投稿。対象となる質問記事のURLを本文内に記述しておくと,ブログレンジャーQAによって両記事がひも付けられる。

 ブログレンジャーQAの技術基盤は,NTTサイバーソリューション研究所とNTTコミュニケーション科学基礎研究所が開発した分類用のキーワード(タグ)を自動生成する「オートタギング技術」と,タグ同士の関連性を地図によるタグクラウドとして可視化する「トピック空間可視化技術」。タグクラウドは単純に数の多いキーワードを強調表示するのではなく,話題の細かなジャンルごとに“島”を分けることで可読性を高めている。

 同実験サービスはNTTレゾナント運営のポータル・サイト「goo」の「gooラボ」内で,2010年5月末までの約1年間公開する。今後はブロガー同士のコミュニケーションを支援する質問/クリック回数などによるランキング機能,ブログパーツなどの提供を予定するという。