セイコーエプソンは2009年6月25日、09年3月期の内部統制報告書を提出。その中で「当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断した」と開示した。同社を含め、25日までに962社が内部統制報告書を提出。うち9社が重要な欠陥を公表している。

 セイコーエプソンは重要な欠陥を公表した理由として、08年12月に発覚した南米子会社3社の不適切な経理処理を挙げる。これにより第3四半期の報告書の提出が遅延した。内部統制の有効性評価の期日である3月31日までに、この問題が是正されなかったことから、重要な欠陥として開示するに至った。

 「時間的な制約が大きく、有効性を確認するには至らなかった」とセイコーエプソンは期末日までに是正しなかった理由を説明する。J-SOX(日本版SOX法)は、期中で重要な欠陥があっても、期末日までに是正して有効に運用していれば、内部統制が有効であると判断するからだ。

 6月22日には、ビジネスブレイン太田昭和や紀州製紙、ダイオーズが重要な欠陥を公表(関連記事)。加えてセイコーエプソンのほか、広島ガス、日本興業、遠州トラック、細谷火工、フリードが重要な欠陥を報告している。遠州トラックと広島ガスは、社員やグループ会社の不正疑惑や不正が重要な欠陥を開示する原因となった。

 9社に加え、岩崎通信機が重要な欠陥を開示する予定だ。岩崎通信機は、内部統制報告書をまだ提出していないが、6月24日に「重要な欠陥を記載する」と開示した。マレーシアの子会社が「国際会計基準(IFRS)」に基づいた処理の適用に重要な誤りがあり、誤りを会計監査人に指摘されたためだ。同社は08年度から適用になった日本の会計基準である「在外子会社の会計基準の統一」により、初めてIFRSに基づいて財務諸表を作成することになったという。

■変更履歴
本文4段落目に「日本興行」とありましたが,「日本興業」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2009/6/26 12:15]