全世界で稼働中のスーパーコンピュータの500位までの性能を集計しているTOP500プロジェクトはドイツ時間2009年6月23日,最新のTOP500ランキングを発表した。第1位は米エネルギー省(DOE)のLos Alamos National Laboratoryで稼働する米IBMの「Roadrunner」で,性能は1.105ペタFLOPS(1ペタは1000テラ)。第2位はDOEのOak Ridge National Laboratoryで稼働する米Crayの「XT5 Jaguar」で,性能は1.059ペタFLOPSだった。トップ2は前回と同じだった。

 ドイツのForschungszentrum Juelichが導入したIBMの「BlueGene/P」が825.5テラFLOPSで第3位に入った。米国とドイツ以外で稼働するマシンでは,サウジアラビアのキング・アブドラ科学技術大学が導入したBlueGene/Pが14位となり,中国のShanghai Supercomputer Centerで稼働する中国Dawning Information Industry(曙光)の「Dawning 5000A」が15位で続いた。

 日本勢では,NECの「地球シミュレータ」の22位が最高で,性能は122.40テラFLOPS。次いで,宇宙航空研究開発機構(JAXA)で稼働する富士通の「FX1」が110.60テラFLOPSで28位に入った。TOP500のうち,日本で稼働するものは計15システムだった。

 TOP500のプロセサ別シェアを見ると,79.8%(399システム)が米Intelのプロセサを搭載している。発売から3カ月の「Xeon 5500」シリーズを搭載したシステムも33あった。一方,米AMDのプロセサは,第1位のRoadrunnerや第2位のJaguarをはじめ,トップ20のうち9システムが採用している。TOP500全体では,8.6%(43システム)がAMD製プロセサだった。

 メーカー別シェアでは,米Hewlett-Packardが42.4%(212システム)で第1位,IBMの37.6%(188システム)が2位だった。

 TOP500は,「LINPACK」と呼ぶベンチマーク性能でスパコンの順位を決定し,毎年6月と11月に結果を公表している。今回のTOP500の全リストは同プロジェクトのWebサイトで閲覧できる。

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