マルチメディア放送ビジネスフォーラムは2009年6月24日,第5期の第1回総会を開催した。この日の総会では,代表や役員・幹事の選出や,第5期の活動方針などが事務局から示されて了承した。マルチメディア放送ビジネスフォーラムは,3セグメント単位をベースにしたマルチメディア放送の実用化を念頭に,様々なビジネスの創出に向けた活動を進めている。

 総会では第5期で新規に立ち上げるWG(ワーキンググループ)の紹介が行われた。「V-LOW全国ハード会社WG」「ブロック3セグ放送会社運営研究WG」「デジタル新型コミュニティ放送WG」である。

 V-LOW全国ハード会社WGは,文字通り,地上アナログ・テレビ放送の終了で空くVHF帯の周波数のうち,VHFローバンド(第1から第3チャンネル)を利用した放送のハード会社について検討を行う。「地方ブロック向けマルチメディア放送の全国1社のハード会社構想」を掲げる。ハード会社のイメージとして,(1)多くの新規参入「ソフト事業」希望者が予定する3セグメント放送方式を使った新しい放送サービスについての正確な理解,(2)全国エリアカバー率90%+車載サービス向けエリアカバー達成への強い意思,(3)送信設備構築だけではなく受信機普及への強い意思など,(4)ブロック間の経済力格差など地域事情に対する繊細な配慮,(5)出資者とそうでないソフト事業者との公平な取り扱いを,要件イメージとしてあげた。

 検討事項としては,「時系列に沿ったエリアカバー計画」「新サービスを可能にする送信設備検討」「投資額と機能と適切なバランス」「エリアカバー率や受信機普及の拡大がハード・ソフト両事業者ともにメリットになる契約関係の検討」「設立スケジュール」を挙げた。

 ブロック3セグ放送会社運営研究WGは,3セグメント単位のサービス編成と具体的なブロック放送会社について検討を行う。

 地方ブロック向け放送のイメージとして,(1)既存ラジオ局の経験などと新規参入ビジネスとの事業連携モデル,(2)ローカル広告配信への対応,(3)ビジネスモデルは,「広告型(無料放送モデル)」「ダウンロードなど都度課金モデル」「VICS方の端末課金モデル」の三つ,(4)受信機イメージは携帯電話搭載,車内聴取向け移動端末,家庭内端末の3つを主力とする,などを挙げた。

 検討事項は,(1)3セグ単位のソフト事業者の「時間軸で帯域割が変化する柔軟な編成」,(2)地方ブロックごとの番組とネットワーク番組とを組み合わせた編成,(3)既存県域放送局のアナログ放送との関係,(4)ブロックごとの出資構成シミュレーション,(5)具体的なサービスミックスと事業計画を予定する。