フィンランドNokiaとドイツSiemensの合弁会社であるNokia Siemens Networksは,フィンランド現地時間2009年6月20日,カナダのNortel Networksから無線関連事業を買収することで両社が合意したと発表した。買収額は6億5000万ドルになる見込み。

 Nokia Siemens Networksはこの買収について,「北米地域および,(次世代通信規格である)LTE(Long Term Evolution)分野における地位を確立する上で,戦略的に重要な機会」としている。

 Nortelは2009年1月に,カナダと米国で破産保護を申請(関連記事:Nortelが破綻,連邦破産法11条の適用を申請),続いてモバイルWiMAX事業からの撤退を発表した(関連記事:破産保護を申請したNortel,モバイルWiMAX事業を終了)。

 2009年2月19日には,レイヤー4~7のスイッチ製品の一部資産を米Radwareに売却することを発表し(関連記事:Nortel,レイヤー4~7スイッチの一部資産を売却へ),2月25日には3200人の従業員を追加削減する計画を明らかにしている(関連記事:Nortel,さらに3200人の従業員削減を発表)。

 Nokia Siemens Networksによる買収の影響を受けるNortel社員は2500人以上。大部分がカナダのオタワ,あるいは米国ダラスに勤務しており,そのうち約400人はLTEの研究開発に携わっている。買収手続きは,米連邦破産裁判所やカナダのオンタリオ州上級裁判所などから承認を得たのち,2009年第3四半期に完了する見通し。

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