IDSシェアー・ジャパンは2009年6月19日,BPM(業務プロセス管理)ソフト群の新版「ARIS 7.1日本語版」を発表した。新版では,業務モデリング・ソフトにバージョン管理機能を追加したほか,独SAPの業務プロセス実行基盤であるNetWeaverとの連携機能を強化した。同日から販売を開始した。開発会社は独IDS Scheer。

 ARISは,業務プロセスのモデリング(設計)やライフサイクルなどを管理するBPM(業務プロセス管理)ソフト製品群。中核製品の1つである「ARIS Business Architect」は,BPELや独自形式による業務プロセスの記述機能を核に,内部統制に利用するRCM(リスク制御表)の作成機能を備える。SAP NetWeaverと連携してSAP NetWeaverのパラメータを自動設定する製品もラインアップする。SAP連携により,業務プロセスの設計と実装,稼働監視による業務の再設計などが可能になる。

 今回の新版では,ARIS Business Architectにバージョン管理機能を追加した。これにより,複数のバージョンの業務モデルを管理/閲覧できるようになった。業務モデルに変更を加えた際には,差分情報を保存して管理する。異なるバージョン間の差分は,Excelやプロセス図など各種の方式で比較できる。

 さらに,新定義のモデル型を扱えるようにした。情報システムと業務プロセスの関係を表形式で表現する「マトリックス・モデル」と,開発スケジュールの時間軸チャートをベースにとした「プロジェクト・スケジュール・モデル」を追加した。また,グラフィックス機能も強化し,画面からテキストの書式設定や直接編集を可能にした。

 SAP NetWeaverとの連携製品「SAP Business Architect for SAP」(旧称ARIS for SAP NetWeaver)では,SAP NetWeaverとの連携を強化した。例えば,SAP側(SAP Solution Mnager)とARIS側で相互に属性情報を同期できるようにした。エンドユーザーのロール(役割)情報やキーワードなどをSAP側からARIS側にダウンロードして同期できる。ARIS側で作成したテスト・シナリオをSAPに転送/反映することも可能だ。さらに,業務プロセス情報を管理するリポジトリ・データベースを,SAPとARISとで連携/統合できるようにした。