米iSuppliは米国時間2009年6月16日,「半導体業界のムーアの法則は2014年に終焉を迎える可能性がある」との見通しを発表した。半導体製造装置のコスト上昇によりムーアの法則の継続が難しくなり,業界の経済原理を変化させる要因になるという。

 同社によれば,チップのプロセス形状が18~20ナノメートル(nm)ノード以下に縮小した時点で,半導体製造技術の利用限界を迎える。これらのノードでは,半導体製造装置が高価となり,量産による価格低下が難しくなるという水準に達するという。

 ムーアの法則は,米Intelの共同創業者であるGordon Moore氏が経験則として提唱した法則で,「集積回路上に置かれるトランジスタの数は2年ごとに倍増する」というもの。プロセス形状は40年以上に渡り小型化を続け,ムーアの法則通りとなった。

 プロセス形状が18~20nmレベルを超えて縮小化することは可能だが,ムーアの法則が半導体の量産をけん引することはなくなるとしている。iSuppliは,同業界が2014年にこの状態に達すると予測している。

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