セキュリティ・ベンダーの米Dasientは,Webサイトをマルウエアによる攻撃から守るホスト型サービス「Web Anti-Malware(WAM)」を,米国時間2009年6月16日に発表した。Webサイトを監視して,検出したマルウエアを自動的に隔離することで,被害を受けるのを防ぐ。同社の設立には,米Googleの元エンジニア2人が参加している。

 同サービスは,「WAM Blacklist Monitoring」「同Premium Monitoring」「同Quarantining」から成る。Blacklist Monitoringは,Webサイトがマルウエアに感染し,検索エンジン,ブラウザ,アンチウイルス・ベンダーなどのブラックリストに載った場合に警告する。公開ベータ版を無料で利用できる。

 Premium Monitoringは,WebサイトがWebアプリケーション,ユーザー生成型コンテンツ,ウィジェット,オンライン広告などを介してマルウエアに感染していないか監視する。感染を検出した場合は,悪意のあるソース・コードや感染URLなど,詳細な診断情報とともに通知する。公開ベータ版を有償で利用可能。

 Quarantiningは,Premium Monitoringと連携し,感染を検出するとただちに該当ページを隔離して,感染の拡大とブラックリストへの掲載を防ぐ。同サービスは,限定ベータ版を提供中。

 同社によると,過去2年間にマルウエアに感染したWebサイトの数が600%増加した。そのうち合法的なサイトが80%を超えるものの,GoogleやYahoo!などの大手検索エンジンや,IE8やFirefoxといった主要ブラウザのブラックリストに載ってしまうと,トラフィックや売上高が減少するばかりか,企業としての評判に傷がつくという。同社はマルウエアを検出,隔離する同サービスの提供により,Webサイトが受ける被害を未然に防ぎたいとしている。

[発表資料へ]