米Wind River Systemsは米国時間2009年6月16日,組み込みシステム用のハイパーバイザ型仮想化ソフトウエア「Wind River Hypervisor」を発表した。シングルまたはマルチコア・プロセサを搭載した単一の物理システム上で複数の「仮想ボード(virtual board)」を稼働させ,それぞれ別のOSやアプリケーションを動作させることができる。

 物理的に複数のシステムを装備するのに比べて,ハードウエアのコストや消費電力を削減できる。仮想ボードはそれぞれ独立した環境として動作するため,互いのリソースやメモリーは保護され,1つの仮想ボードのアプリケーションやOSで障害が発生しても他の仮想ボードには影響しない。

 OSは,同社のリアルタイムOS「VxWorks」と,組み込み向けLinuxの「Wind River Linux」をサポートする。その他のOSへの対応や,仮想ボードのインタフェース上でアプリケーションを直接動作させることも可能。プロセサは,IntelアーキテクチャとPower PCに対応する。

 Wind River Systemsは,同日発表したマルチレベル・セキュリティ(MLS)向けシステム基盤の新版「VxWorks MILS Platform 2.0」でも,Wind River Hypervisorの技術による仮想化機能を活用している。

 なお同社については,米Intelが約850億円で買収することを発表している(関連記事:Intelが組み込みOS大手のWind River Systemsを850億円で買収)。

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