慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科は2009年6月16日,中村伊知哉慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授を呼びかけ人代表として,Internet Protocol Data Cast: IPDC)を利用したビジネス展開を検討する事業者とともに,「IPDCフォーラム」設立準備会を開催したと発表した。6月30日に設立総会を開催して正式に発足する計画である。

 同フォーラムは,通信・放送融合サービスの発展に対応した具体的な制度の在り方についての議論や2011年以降のアナログ・テレビジョン放送終了後に空くVHF帯を利用した「携帯端末向けマルチメディア放送方式」に関する検討,NGNやLTEなど通信の世界で進む「全IP化」の流れなどの状況を踏まえ,IPを共通基盤とした通信放送融合型のサービスにおいて,ビジネスモデルの確立や法制度などの課題の解消,サービスやシステムの実証実験などを目的とする。フォーラムの活動内容としては,IPDCのビジネスモデル検討のほかに,「IPDCの実用化に関連する課題抽出,課題解決の提言を働きかけ」,「放送方式やアプリケーション,受信デバイスなどの実証実験」などを予定する。

 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科は,フォーラムの活動において研究協力を行うとともに事務局に参画する。フォーラムでは、IPDCに関心のある企業の参加を広く募集中である。

 なお,同フォーラムは,次世代IPネットワーク推進フォーラムの利活用促進部会新ビジネス検討WGの最終報告「マルチメディア放送を実現するIPデータキャスト(IPDC)の導入について」において設立の必要性が指摘されていた。

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