NECが実演した「OpenFlow」技術
NECが実演した「OpenFlow」技術
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 NECは,2009年6月10日~12日に開催された「Interop Tokyo 2009」で,開発中の「OpenFlow」技術を紹介した。

 従来のIP通信では,IPアドレスをベースに経路を決定(ルーティング制御)し,パケット転送が行われていた。これに対してOpenFlowでは,あて先や送信元のMACアドレスやIPアドレスだけでなく,プロトコル種別などで決定される一連の通信を“フロー”とし,フロー単位でのきめ細かな経路制御や品質確保などを実行する。

 具体的には,物理ポート(OSIモデルの第1層),MACアドレス(第2層),IPアドレス(第3層),ポート番号(第4層)のアドレスや識別子の任意の組み合わせで「フロー」を定義,フロー単位で取り扱いポリシーを定義する。ネットワーク上では,フローごとのポリシーを定義するコントローラと,コントローラの指示に従ってパケットを転送するスイッチ装置を別に置く。コントローラとスイッチ間のプロトコルをOpenFlowプロトコルと呼んでいる。

 NECによると,OpenFlowを使うことで,データセンターや企業ネットワークではネットワーク資源の見える化が進み,利用率が向上するという。通信事業者やサービス事業者では,顧客ごとにVLANなどの設定がきめ細かくできるようになることを期待している。

 NECは,国内では「新世代ネットワーク」として検討が進んでいる次世代のネットワーク技術としてOpenFlowを提案しているという。OpenFlowに関する情報は,OpenFlowスイッチング・コンソーシアムのサイトで得られる。