米国時間2009年6月12日に実施したアナログ停波について,米連邦通信委員会(FCC)は「多くの問い合わせはあったものの,大きな混乱はなかった」とする報告を6月13日に公表した。これで,米国のテレビ局970余りがデジタル放送に完全移行したことになる。

 FCCによると,無料サポート電話には当日,31万7450本の問い合わせがあった。約30%がアナログ-デジタル変換器の動作に関するもので,そのほとんどは,電話の指示に従い再度デジタル放送波をスキャンすることで解決した。

 FCC会長代理のMichael Copps氏は,「停波当日,FCCスタッフのチームが技術的な課題によく対応したことには満足している。しかしまだやるべきことはたくさんある。移行は1日で終わる話ではない」と述べた。

 FCCは4000人態勢で問い合わせの電話に備えた。サポート担当者につながる電話の待ち時間は平均4.6分で,対応に要した時間は問い合わせ1件あたり平均8.4分だった。問い合わせが最も多かった都市はシカゴで,ダラス・フォートワース,ニューヨーク,フィラデルフィア,バルティモアがそれに続いた。

 また,FCCがデジタル移行に関する情報を提供しているWebサイト「DTV.gov」では,5月の月間ページ・ビューが250万ページ強だったが,6月12日は310万ページを超えた。

 FCCは6月8日から,デジタル放送受信の準備が整っていない家庭に向けて早急な対応を呼びかける告知を行っていた(関連記事:FCC,6月12日のデジタル放送完全移行に向けたカウントダウン開始)。

 米Nielsenの調査によると,6月7日時点でデジタル放送に対応していない家庭は,全テレビ視聴世帯の2.5%にあたる280万世帯だった(関連記事:アナログ放送終了目前,米国の280万世帯が地デジ未対応 )。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]