NTT東日本とNTT西日本は2009年6月11日,ひかり電話の着信課金サービスのユーザーに対し,通話料金を過大に請求していたと発表した。過大請求した通話料金は速やかに返還するという。

 今回過大請求が判明したサービスは「フリーアクセス・ひかりワイド」。ひかり電話のユーザー向けに提供している着信課金サービスで,かかってきた電話の通話料を着信側が負担する機能を提供する。過大請求の対象となるのは,同サービスを利用しており,「ピンク電話機」(硬貨を投入して利用する電話機)などからの着信があったユーザーとなる。

 現在把握できている過大請求は,NTT東日本の対象ユーザー数が1792ユーザー,過大請求金額が107万9324円。一方,NTT西日本の対象ユーザー数は1881ユーザー,過大請求金額は85万3830円である。

 フリーアクセス・ひかりワイドでは,一般の公衆電話からの着信は1分当たり21円~31.5円であるのに対し,喫茶店や病院などに置かれているピンク電話機などからの着信は加入電話と同等の3分当たり6.3~10.5円と安くなっている(ひかり電話,ひかり電話オフィスタイプ,ひかり電話ビジネスタイプ プラン2の場合は3分当たり8.4円,ひかり電話ビジネスタイプ プラン1の場合は県内通話時が3分当たり6.3円,県間通話時が3分当たり10.5円)。ところが,料金計算プログラムの一部に誤りがあり,通話料金を多く計算していた。具体的には,ピンク電話機からの着信に対し,公衆電話からの着信料金を適用していたという。

 過大請求が最初に発覚したのは5月27日。フリーアクセス・ひかりワイドのユーザーからNTT西日本に対し,通話料金が過大に請求されている疑いがあると問い合わせがあったという。そのユーザーはもともと加入電話の着信課金サービス(フリーアクセス)を利用しており,同様のサービスでもっと料金の低いフリーアクセス・ひかりワイドを利用するために,ひかり電話に移行した。ところが,安くなるはずの通話料金がむしろ高くなったため,NTT西日本に問い合わせたという。同様のシステムを採用しているNTT東日本では,NTT西日本から連絡を受け,過大請求が発生していることに気付いたとしている。

 プログラムの修正は6月2日に実施し,それ以降の通話料金は正常に計算されているという。5月分の通話料金については,さかのぼって補正できるタイミングだったため,過大請求はないとしている。

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