写真1●NECが参考展示した「OpenFlow」のシステム
写真1●NECが参考展示した「OpenFlow」のシステム
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写真2●スイッチと実際の経路が表示された画面
写真2●スイッチと実際の経路が表示された画面
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写真3●指で触って経路を変えているところ<br>写真2と比較して複雑な経路になっているのが分かる。
写真3●指で触って経路を変えているところ<br>写真2と比較して複雑な経路になっているのが分かる。
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 NECは2009年6月8~12日(展示会は6月10~12日),幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中のInterop Tokyo 2009で,米スタンフォード大学と研究中のネットワーク・プロトコル「OpenFlow」を使ったシステムの参考展示をしている(写真1)。

 OpenFlowのシステムでは,スイッチに含まれるVLANやIPルーティングの経路情報をすべて中央のポリシー・サーバーで管理する。端末から通信を開始するパケットを受け取ったスイッチはポリシー・サーバーにそのパケットの配送ルールを問い合わせ,経路を決定する。配送ルールは,送信元・受信先MACアドレス,送信元・受信先IPアドレス,レイヤー4プロトコルなどに応じて決定されるため,同じ端末からの送信であっても,あて先ごとに経路を変更できる。また,通信のたびに,経路の問い合わせがあるので,ネットワークの負荷や機器障害などに応じて,経路を動的に決定できる。

 通信のたびにサーバーに問い合わせるとなるとパフォーマンス面で問題となりそうだが,「サーバーに問い合わせに行くのは通信開始時だけで,一度使った経路はスイッチ側にキャッシュされるのでパフォーマンスの劣化要因にはならない」(説明員)という。また,経路のポリシーをあらかじめスイッチに配信しておく機能も持つ。

 展示では,スイッチの構成図と通信経路が表示された画面に対して,指で触って通信経路を変更するだけで実際のルートが変わる様をデモしていた(写真2写真3)。「米国の次世代ネットのテストベッドであるGINIを使って2009年,2010年で本格的な実験を行い,実用化につなげる」(説明員)という。