写真 Fedora 11のデスクトップ画面
写真 Fedora 11のデスクトップ画面
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 Fedora Projectは2009年6月9日(米国時間),最新ディストリビューションのFedora 11をリリースした(写真)。Fedoraは最新技術を率先して採用が行われているのが特徴。開発には米Red Hat社が支援しており,同社が提供しているRed Hat Enterprise LinuxにFedoraで培った技術がフィードバックされる。

 Fedora 11では,パッケージ管理ツール「PackageKit」が強化された。PackageKitは動画や音楽ファイルを再生する際に,対応するコーデックが存在しないとパッケージを検索,自動的にダウンロードおよびインストールするツールである。Fedora 11では,フォントについても自動ダウンロードの対象となった。インストールされていないフォントを利用した文書の閲覧や編集の際,自動的に必要なフォントがインストールされる。

 Fedoraは,起動システムとして「Plymouth」を採用しており,グラフィック・カードに直接アクセスするフレームバッファ・デバイスをグラフィカル環境として利用できる。X Window Systemの起動が必要なくなるため,起動時間の短縮につながる。Fedora 11では,新たにATIやNvidia,インテルなどといったグラフィックス・カードに対応。これらのグラフィックス・カードを搭載するパソコンで起動時間を短縮できる。

 日本語を入力する際に利用するインプット・メソッドについて,「IBus」を新たに採用した。IBusでは日本語のほかにも中国語,韓国語などの入力にも対応している。ちなみに前バージョンのFedora 10まではインプット・メソッドとしてSCIMを採用していた。

 さらに,指紋認証機能について標準でサポート。指紋を読み込ませることでログイン認証できるようになった。ただし,Linuxに対応した指紋リーダーが必要となるため,一部のノートPCなどに搭載されている指紋リーダーは利用できない場合もある。

 そのほかにも,ファイル・システムの「Ext4」や「Butfs」,クロス・コンパイラの「MinGW」,などの新機能を搭載した。

 カーネルは「2.6.29.4」,デスクトップ環境は「GNOME 2.26.1」や「KDE 4.2.3」,Webブラウザは「Firefox 3.5b4」である。オフィススイートは「OpenOffice.org 3.1.0」を採用している。

 デスクトップ環境にKDEを採用したライブ形式の「Fedora 11 Desktop Live KDE」も用意している。

■変更履歴
カーネルのバージョンを「2.26.29.4」としていましたが,「2.6.29.4」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/6/11 17:50]