米Appleは米国時間2009年6月8日,iPhoneの新モデル「iPhone 3G S」とモバイルOSの新版「iPhone OS 3.0」を発表した。iPhone 3G Sは米国で6月19日より販売する。米AT&Tの通信サービスを2年間契約した場合の価格は,メモリー16Gバイト版が199ドル,32Gバイト版が299ドル。米国以外でも順次提供していく。iPhone OS 3.0はiPhone 3G Sにプリインストールされるほか,6月17日に既存iPhoneユーザー向けに無償提供を開始する。メディア・プレーヤ「iPod touch」ユーザーには9.95ドルで販売する。

 新端末の発売に伴い,6月8日より8Gバイト版「iPhone 3G」の価格をこれまでの199ドルから99ドルに値下げする。299ドルだった16Gバイト版iPhone 3Gは149ドルとする。ただし,16Gバイト版の出荷は既に終了している。

 iPhone 3G Sは処理速度がiPhone 3Gに比べ最大2倍速く,Webページの表示やアプリケーションの起動が短時間で済むという。バッテリ駆動時間も長くなった。オートフォーカス/自動マクロ対応の300万画素カメラを内蔵し,撮影したビデオはiPhone 3G S上で編集可能。音声制御機能を搭載しており,電話やメディア・プレーヤの各種機能をハンズ・フリー操作できる。AT&Tが2009年後半より提供する最大7.2MbpsのHSDPA通信サービスに対応する(関連記事:AT&Tが3Gネットワークの高速化を計画,次世代方式LTEの商用サービスは2011年から)。地図と連動する電子コンパスも内蔵する。テキスト読み上げや画面拡大,表示色反転,モノラル音声出力といったアクセシビリティ向上機能も採用した。

 iPhone OS 3.0はカット/コピー/ペースト,マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS),横断検索対応の「Spotlight」,横長ソフトウエア・キーボード,ボイス・メモなど100種類以上の新機能を搭載する。盗まれたり置き忘れたりした端末を「MobileMe」サービス(年額99ドル)と連携して探し,地図に場所を示す新機能「Find My iPhone」も備える。遠隔地から端末の画面にメッセージを表示したり,強制的に音を鳴らしたりすることも可能。新機能「Remote Wipe」を使うとデータの遠隔消去も行える(関連記事:Appleの新モバイルOS「iPhone OS 3.0」は夏に登場,コピー&ペーストが可能にAppleが渋々発表した「iPhone OS 3.0」,タブレットMacやFlash対応には触れず)。

 現在Appleは「App Store」で5万種類以上のiPhone/iPod touchシリーズ用アプリケーションを配布/販売している。累積ダウンロード数は10億回を超えた(関連記事:iPhone向けのアプリケーション、9カ月間で10億回ダウンロードされるApple,「App Store」の10億ダウンロードに豪華賞品を用意)。

[発表資料(Apple)]
[発表資料(AT&T)]