米DISH Network(旧EchoStar Communications)と米TiVoとの特許侵害訴訟において,米連邦控訴裁判所は,DISHに対する米連邦地方裁判所の命令執行を一時的に停止する判断を下した。これを受け,DISHは米国時間2009年6月3日に,「控訴裁判所の判断に満足している」とのコメントを発表した。

 今回の連邦控訴裁の判決により,DISHのサービス加入者は,引き続き同社のデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)を使用できるようになる。

 米メディア(CNET News)によると,米ワシントンの連邦地方裁判所は同月2日,DISHに対して1億300万ドルと利子の支払いと,同社サービスの加入者が使用するDVRで採用されている特許侵害に該当する機能を30日以内に無効にするように命じた。同裁判所は,DISHがこれらのDVRに手を加えることで終局差し止め命令の回避を試みたとして,法廷侮辱罪の判断を下している。

 DISHは,連邦地方裁による法廷侮辱罪の判断および問題される機能を30日以内に無効化するように命じた判決を不服として,申し立てを行う意向を示していた。

 両社を巡る訴訟は,TiVoが2004年にタイム・ワープ特許を侵害されたとしてEchoStarを提訴したことに始まる(関連記事)。2006年6月にテキサス州東部地区の連邦地方裁判所はタイム・ワープ特許の有効性を認定し,EchoStarがTiVoの知的財産を侵害したとしてEchoStarに7390万ドルの損害賠償の支払いを命じた。EchoStarの上訴に対し,連邦控訴裁判所は2008年1月に連邦地裁の判決を支持し,同年4月にはワシントンD.C.の連邦控訴裁判所もこの判決の支持を表明していた。

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