写真●クアルコムジャパンの山田純会長兼社長
写真●クアルコムジャパンの山田純会長兼社長
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 クアルコムジャパンは2009年5月29日,東京都内で記者会見を開催した。その会見の席で,山田純会長兼社長(写真)は同社が開発している携帯電話向けソフトウエア環境のBREWについて「末永く残っていくプラットフォームだ」と語った。

 現在,AndroidやWindows Mobile,Symbianなどオープンなプラットフォームが台頭しつつある。こうした状況の中で,今後もBREWが求められる理由として,同氏は二つの要素を挙げた。

 一つが発展途上国での需要である。「高機能な端末ではオープンなプラットフォームに移行していくが,高機能な端末を求めない地域では逆にBREWが伸びる余地がある」(同氏)とする。BREWはクアルコムが提供するリファレンス・デザインに沿って同社のチップセットとソフトウエアを組み合わせることで,簡単に携帯電話を作れる。「ミドルからローエンドの端末では使い勝手のいいプラットフォーム」(同氏)という主張だ。

 BREWが求められるもう一つの要素が「米アドビのFlashやAIRなどのアプリケーション実行環境に特化した端末での需要」(同氏)である。クアルコムはアドビと提携して,BREW上でFlashの実行環境を実装しているほか,将来的にはAIRが動くようにする計画を持つ。アドビフォンと呼ぶべき端末はまだ登場していないが,そうした端末が登場するときのプラットフォームとしてBREWが利用されるという。