経済産業省は2009年5月28日、情報システム,ソフトウエアなどの信頼性やセキュリティ強化についてまとめた中間報告書を公開した。同省では、この報告書の内容を踏まえて,大学におけるITアーキテクトのリカレント教育(社会人再教育)を行う枠組みを作成する予定だ。

 同報告書は、2008年より開催してきた「高度情報化社会における情報システム・ソフトウェアの信頼性及びセキュリティに関する研究会」(信頼性研究会)で議論した内容を文書化したもの。情報システムやソフトウエアの信頼性及びセキュリティに関わる、(1)評価・管理指標の在り方、(2)ユーザー企業の在り方、(3)契約の在り方、(4)運用・保守の在り方、(5)技術的課題、(6)クラウドコンピューティングなど新たなサービスへの対応、(7)人材育成の在り方、をまとめている。

 このうち人材育成の在り方については、大規模化、複雑化する情報システムやソフトウエアに関する要件定義力、システム設計力、プロジェクトマネジメント力を高めるべきとしている。その理由として、経済産業省 サービス政策課の奥家敏和課長補佐は「システムの良し悪しを決めるアーキテクチャを描ける人材、すなわちITアーキテクトが企業内にいるか否かが決定的に重要になる」と主張する。

 経済産業省が計画している社会人再教育は、大手IT企業で10年程度キャリアを積んだエンジニアが対象となる予定だ。ただし、今のところ開始時期などの詳細は未定である。