WebブラウザでアクセスするKaresansuiの管理画面
WebブラウザでアクセスするKaresansuiの管理画面
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 サーバー管理ソフトなど手がけるHDEは2009年5月28日,自社開発した仮想サーバー環境向け運用管理ソフト「Karesansui」をオープンソースとして無償公開した。WebブラウザによるGUI画面から,仮想サーバーの起動/停止やリモート操作といった各種の管理が可能になる。
 
 オープンソース化の狙いは,既存のサーバー管理製品「HDE Controller」の販売機会を拡大すること。オープンソース化でユーザーを増やすことによってHDEの認知度が高まるほか,仮想サーバー管理機能の提供によって間接的にHDE Controllerbの製品価値が高まる。記事執筆現在のHDE Controllerのライセンス出荷数は5万ライセンス超。Karesansuiのダウンロード数は,1年間で10万件を見込む。

 Karesansuiはオープンソースのサーバー仮想化ソフト「Xen」を対象に,GUIを使った簡便な管理能を提供する。HTMLとAjaxによるWebブラウザ画面から仮想サーバー機の起動/停止ができる。スナップ・ショットの作成や,CPU数/メモリー量の変更なども可能だ。Webブラウザ上で,VNCによる仮想サーバー画面をリモート操作する機能もある。

 管理用の仮想サーバーにインストールして利用する。ホストOSはCentOS 5.3以降を推奨する。DBMSはMySQL,PostgreSQL,SQLiteなどを利用する。配布パッケージは,tar.gz形式に加えてRed Hat系のRPM形式を用意した。

 開発言語はPythonであり,Webアプリケーションとして動作する。開発者向けに,URLのリソース指定で処理を実施するRESTful Webサービスのアーキテクチャを採用している。簡単に機能拡張を施せるという。

 Karesansuiをオープンソースとして公開するにあたり,同ソフトの開発を推進するプロジェクト「Karesansui Project」を2008年末に立ち上げた。HDEのエンジニアなど4名で構成する。HDEは今後,資金面でKaresansui Projectを支援する。今後はデーモン・プロセスの状況監視やiSCSI対応などを施した版を2009年中に提供する計画。KVMなどXen以外のサーバー仮想化ソフトで利用できる版も提供する予定である。