データセンター事業などを手がけるアイネットは2009年5月27日、神奈川県横浜市に新しいデータセンターを開設すると発表した。同社としては2拠点目となる。6月からサービス提供を開始する。

 総面積は1万3000平方メートルで、約1000ラックを収容する。センターは水害や液状化の危険が少ない硬質な地盤の上に建っており免震構造を採用する。停電時にも48時間の連続運転が可能など「国内最高クラスのファシリティと安全性を備えている」(田口勉常務)という。

 将来的には2期棟も建設する予定で、それを見据えた電源設備を用意した。1期棟にはコロケーションルームが3つあり、現在は1部屋のみ利用している。現時点での投資額は約35億円で、コロケーションルームを3つ使用すると50億円超になる見込みという。田口常務は「都心部では土地代が投資額の7割を占めるため設備には十分に投資できない。郊外を選択したことで最新の設備を手ごろな値段で提供できる」と説明する。

 提供するサービスはSaaSや、顧客のIT機器を管理する「ITマネージドサービス」、日本IBM製AS/400の運用サービス、プリンティングなどのBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)など。VMwareを利用した仮想化サービスや、サーバー、ルーターなどレンタルも行う。

 交通の利便性が高い都心部のデータセンターに対するニーズが高いが、田口常務は「クラウドコンピューティングなどの登場により、今後はデータセンターに直接足を運ばない考え方が主流になるはず」と話した。