シスコシステムズは2009年5月27日、通信事業者向けに新しいデータセンターのアーキテクチャを発表した。同社のサーバー「Unified Computing System」(UCS)やルーター「CRS-1」、LANスイッチ「Nexus」を組み合わせ、通信事業者特有の高い要求品質に合致したインフラを構成する。

 シスコはこのアーキテクチャを「ユニファイド サービス デリバリ」と呼ぶ。音声や映像、Webなど複数のサービスを一つのITインフラで提供可能とする。ネットワーク技術、コンピュータ技術、仮想化技術を組み合わせた、いわゆる“クラウド”のアーキテクチャとなる。その中でも通信事業者のデータセンターに最適化したものといえる。

 シスコは新しいアーキテクチャを国内通信事業者に提案し、販売代理店と共同でデータセンターを構築していく考え。IBMやヒューレット・パッカードなど大手コンピュータメーカーは、クラウド環境を構築する企業に自社製品を売り込もうとしている。UCSでサーバーに参入したシスコは、得意の通信市場でコンピュータ大手を出し抜く思惑だ。