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集合知で社会や企業を変革するには---群衆の叡智サミット2009で議論

2009/05/26
高橋 信頼=ITpro
群衆の叡智サミット2009
群衆の叡智サミット2009
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ボランティアがOpen Street Mapで作成した東京の地図
ボランティアがOpen Street Mapで作成した東京の地図
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博報堂のイノベーティブなアイディアに関する研究
博報堂のイノベーティブなアイディアに関する研究
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 2009年5月26日,「集合知」をテーマにした討論会「群衆の叡智サミット2009」が開催された。インターネットで糾合した知識を,現実の社会や企業の変革へとつなげる方法について議論が行われた。

 ITジャーナリストの佐々木俊尚氏は,アメリカのObama大統領の選挙戦でのネット活用について「決定的に新しかったのは,ネットを使ってお金を集める仕組みを作ったこと」と指摘した。Obama氏は,個人献金で6億4000万ドルを集めたとされる。アジャイルメディア・ネットワーク 徳力基彦氏も「Obama氏は,ネットの力をリアルとつなげた。3万5000のボランティア・グループを作り動員した。さらに集めた資金をCMとしてマスメディアに投じた。このような方法で,ネットの影響が及びにくい部分も変えていけるかもしれない」と述べた。

 日本では法律的な問題もあり,ネットでの政治献金はほとんど機能していない。ただし駒澤大学の山口浩氏は「今,政治家たちがニコニコ動画を使い始めている。生放送で政治家が出演し,リアルタイムで7万人のアンケートができる。その半分は10代,20代。まだお金の流れまでは至っていないが,将来はそういったこと(献金)も起きるかもしれない」と予測する。

 また佐々木氏は「東京でパソコンからインターネットを使う層は実際には少数派であり,多数派は携帯電話でネットにアクセスする地方在住の“ヤンキー文化”。この層にどうやって届くかを考える必要がある」と指摘した。

 サイボウズ創業者で,米国でWebサービスを開発中の高須賀宣氏は「日本人は,アメリカ人が思いつかない東洋人の発想や思考法で発想できる」と語る。ただし「失敗と付き合えない限り,世界に伍したサービスは作れない」(高須賀氏)。

 Open Street Mapプロジェクトの三浦広志氏は,ボランティアのユーザーが地図を作るプロジェクト「Open Street Map」を紹介した。GPSを持って町を走り,そのデータをアップロードして街路地図を作成する。世界中で11万人が地図作成に参加している(世界中からOpen Street Mapのサーバーにデータがアップロードされる様子のビデオ)。日本のアクティブメンバーは現在約200人という。三浦氏は「参加することの楽しさをどう作り,伝えていくかがポイント」と話す。

 国立情報学研究所の松隈基至氏は,同研究所が開発,配布しているオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)NetCommonsによる学校の情報発信を支援を紹介した。「学校が授業の様子などを情報発信することで,地域から信頼を得て,支えてもらいやすくなる」(松隈氏)。

 博報堂の鷲田祐一氏は,同社の新入社員を対象にした研究から得られたイノベーションのアイデアに関する研究を行った。「ネットの新しいサービスをいちはやく使う層(第1層)より,それに続いて使う第2層のほうが新しいアイデアを発案する」という調査結果が得られたという。「第1層は,知識を豊富に受け取っているためにかえってオリジナルなアイデアを発案しないのではないか」(鷲田氏)。

 日立システムアンドサービスの眞木正喜氏は,同社内で展開している知識共有の仕組みについて紹介した。「パフォーマンスの高い社員の『企業知』を,他の社員が活用しやすくする」(眞木氏)。

 INTRA BLOG/SNS USERS GROUPの戸上浩明氏は,社内の知識共有システムは「気付きや知識を与えるだけでなく,行動に結びついて初めて成功といえる」指摘。日立システムアンドサービスの眞木氏は「まさに行動させることが目的であり,それはITだけでは実現できない」と語った。

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