写真1●NTTコミュニケーションズの高部文宏・ブロードバンドIP事業部・サービスクリエーション部担当部長
写真1●NTTコミュニケーションズの高部文宏・ブロードバンドIP事業部・サービスクリエーション部担当部長
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2009年5月25日,イーサネット方式のアクセス回線を使う企業向け通信サービスにおいて,物理インタフェースの最大速度まで利用できる新品目「バーストイーサアクセス」を追加すると発表した。NTTコムが提供する企業向け通信サービスのうち,広域イーサネットサービスの「e-VLAN」,IP-VPNサービスの「Arcstar IP-VPN」,インターネット接続サービスの「ビジネスOCN」,の3サービスのアクセス回線品目として利用できる。2009年7月1日から提供開始する予定。

 バーストイーサアクセスは,インタフェース速度の10%の帯域で通信できることを常時保証し,大容量のファイルのダウンロードなど一時的に発生する通信量の増大(バースト)時には,インタフェースの最大速度で通信できるのが特徴である。NTTコムは「ユーザーの料金負担を抑えた上で,高速通信に対するニーズに対応できる」としている。品目は「バースト10」と「バースト100」の二つがある。バースト10の場合,1Mビット/秒の速度を常に確保し,通信がバーストした場合には最大10Mビット/秒まで使える。バースト100は10Mビット/秒の帯域を常に確保し,最大100Mビット/秒まで使える。

 料金は,最大通信速度で従来の速度保証型のアクセス・メニューと比べると割安になる。例えば,Arcstar IP-VPNの場合,バースト10の月額利用料金は9万4500円。10Mビット/秒の帯域保証型メニューは月額27万~30万円前後である。1Mビット/秒の帯域保証型メニューの料金は8万円前後であり,これの2割程度の割り増し料金で最大通信速度を10倍に増やせる形になっている。

 NTTコムは,新サービスの狙いについて「企業の拠点間の通信だけでなく,データセンター側にアプリケーション・システムを設置して,ネットワーク経由で利用するクラウド・コンピューティングにも対応するため」(高部文宏・ブロードバンドIP事業部・サービスクリエーション部担当部長・写真1)と説明する。大幅に通信量が変動するようなシステム環境でも利用しやすい通信メニューとして販売する方針だ。

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