セキュリティー・ベンダーの米ゼットスケーラーは2009年5月25日,SaaS型Webセキュリティ・サービスで日本市場に本格参入すると発表した。日本法人を新設するほか、国内にデータセンターを設置して、市場を開拓する。日本法人代表には,ネットスクリーンテクノロジー,アイアンポートシステムズの日本代表の経験を持つ原田英昭氏が就任する。

 同社のWebセキュリティ・サービスは,HTTP(ポート80)とHTTPS(ポート443)のトラフィックに対して,(1)ウイルス対策などのセキュリティ,(2)アクセス管理,(3)情報漏洩対策,(4)解析の4つの機能をSaaS型で提供するもの。

 (1)セキュリティでは,ウイルス/マルウエア対策機能のほか,Webコンテンツを独自技術で高速スキャンして,ボット化や不正な細工の有無を検出する。(2)アクセス管理では,URLフィルタリング機能,帯域最適化機能,Webページへの書き込み権限を管理する機能を提供する。

 ユーザーからのトラフィックは,エンドポイントに設置したファイアウォールを使い,ゼットスケーラーのデータセンターにリダイレクトする。ファイアウォールからデータセンターへのリダイレクトは,同サービスの国内販売代理店であるノックスが担う。

 ノックスによると,サービスの利用料金は企業規模やサービス構成によって異なるが,500ユーザー規模での標準的な年間利用料は1ユーザーあたり6000円程度だという。米ゼットスケーラー CEOのJay Chaudhry氏は,「同等機能のアプライアンス製品の10分の1程度,“1ユーザーあたり月額コーヒー1杯程度”の値段で提供する」と力説。「初期費用は無料。機能拡張に伴う導入コストも不要で,障害対応コストもかからない」と,SaaS型Webセキュリティ・サービスによるTCO削減をアピールした。