写真●日本エイサーの「Aspire Timeline」の外観
写真●日本エイサーの「Aspire Timeline」の外観
[画像のクリックで拡大表示]

 日本エイサーは2009年5月22日、ノートパソコンの新シリーズ「Aspire Timeline」を発表した(写真)。売り物は標準で8時間という長めのバッテリー持続時間を達成しながら、基本モデルで8万円台という低価格を実現した点。発売開始は6月5日。同社は今後、このTimelineシリーズを主力機種に据える。性能を抑えた低価格ノートのネットブックでは満足しない顧客に売り込む。同等性能の既存モデルは12万~13万円台だった。

 「当社は昨年、ネットブックを市場に投入して成功を収めた。顧客に改善要望を聞いたところ、長時間のバッテリー寿命を望む声が最も多かった」。台湾エイサーでブランド戦略を統括するアンディ・チャン ディレクターは、開発の背景をこう語る。「8時間あれば飛行機での長い出張にも耐えられる。しかも8万円台という価格は十分に競争力がある。これが日本の消費者への、当社の答えだ」。

 電力消費を抑えるため、エイサーは独自の電力管理技術を開発した。スリープ時の消費電力や外部接続インタフェースなどを改良した。「USBポートやLANポートなどは、使っていない状態でも電力を消費する。これらを細かく制御することで、消費電力を抑えた」(チャン ディレクター)。

 低価格ながら性能面の不足はなさそうだ。Timelineの搭載プロセサはインテルCore 2 Duoの超低電圧版(SU9400)。搭載メモリー容量は標準2Gバイト、最大4Gバイト。内蔵ハードディスクは250Gバイトまたは320Gバイト。ディスプレイは13.3インチ型または15.6インチ型で、解像度は1366×768ドット。推定小売価格は13.3インチ型モデルが8万9800円など。

 「2009年は日本、中国、米国という3つの主要国で大きく成長することを目指す。日本と米国は深刻な経済状況にあるが、当社にとっては逆にチャンスだ」。エイサーグループのJ.T.ワンCEO(最高経営責任者)は、低価格戦略に自信をみせる。調査会社によれば日本エイサーの日本市場での台数シェアは6位。同社は2011年までに5位になるとしている。