北九州産業学術推進機構(FAIS)は2009年5月22日、高速プロセサ「Cell Broadband Engine(Cell BE)」を使って構築したシステム基盤を無償で開放すると発表した。対象は北九州学術研究都市と北部九州の研究者。研究者はシステム基盤を一時的な研究や、独自システム構築前のスキル習得、検証作業などに利用できる。高度なシステム基盤を手軽に利用できる環境を作ることで、研究者自身のHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)環境構築を後押しする。

 Cell BEは米IBM,東芝,ソニーが共同開発したプロセサで、主にHPCで利用されている。今回、システム基盤の構築にはCell BEを搭載した日本IBMの「BladeCenter QS21」と、Cell BEに準拠しIBMが独自開発したプロセサ「PowerXCell 8i」を搭載した「BladeCenter QS22」、PowerXCell 8iを搭載したフィックスターズのPCI Expressボード「GigaAccel 180」を組み込んだワークステーションを採用した。

 アルゴグラフィックス、住商情報システム、日本IBM、フィックスターズの4社がシステム基盤の構築と運用を担当する。FAISは技術者向けにCell BEのプログラミングセミナーなどを開催する予定で、そういった活動についても4社がサポートする。

 FAISは北九州地域における産学官連携による研究開発や学術連携を目的に設立された財団法人。