米Free Software Foundation(FSF)は,米Cisco SystemsがGPL(GNU General Public License)に違反しソースコードを開示していなかったとして起こしていた訴訟で,両者が和解に達したと発表した。Ciscoは該当ソフトウエアのソースコードを開示する。
FSFは,gccやglibcなど多くのオープンソース・ソフトウエアを開発し,GPLを策定している団体。FSFは2008年12月11日,CiscoがGNU GPLとLGPLのプログラムを,ライセンス条項を遵守せずに配信したとして訴えていた。FSFによれば,CiscoはGPLで義務付けられているソースコードの開示を行うことなくGNU/Linuxを使用した無線ルーターのファームウエアを配布したという。
FSFによれば,同財団は2003年,Ciscoの無線ルーターLinksys WRT54Gのファームウエアでソースコードの開示なくGNU/Linuxを使用していることを知った。5年間Ciscoと話しあったが,ライセンスの遵守が実現されず,定期的に新しい違反が発見されたために訴訟に踏み切ったという。
FSFがGPL違反で訴訟に踏み切ったのはこれが初めてのケースだったとしている。
Ciscoは,Linksys製品に搭載されているFSFソフトウエアのソースコードを,同社Webサイトで開示する。また,CiscoはFSFへの寄付も行う。
「我々はCiscoが同社のコンプライアンス・プログラムを拡大し,フリー・ソフトウエア・コミュニティへの関りをコミットしたことを嬉しく思う。GPLの下でユーザーの自由にをさらに保証していく」(FSF エグゼクティブ・ディレクター Peter Brown氏)。
[発表資料]