デルは、公共機関および法人を対象にしたネットブック「Dell Latitude 2100」(写真1)を2009年5月20日に発表した。Latitude 2100は、主に小中高校などの教育機関での利用を想定した製品。10.1インチの液晶ディスプレイを搭載し重量は最小構成時で約1.32kgである。価格は5万6385円からで、同日から販売を開始した。
Latitude 2100は、法人向けブランドのLatitudeシリーズとしては初めてのネットブックである。CPUは米インテルのAtom N270を採用。10.1インチのディスプレイは1024×576ドットで、タッチスクリーンをオプションで追加できる。
メモリーは標準で1Gバイト、最大で2Gバイトまで拡張可能。ストレージはハードディスク(80G/160G/250Gバイト)またはSSD(16Gバイト)から選択できる。バッテリーは3セルで約3時間、6セルで約6時間の利用が可能という。OSはWindows Vista Home Basicまたは同 XP Homeである。
想定ユーザーとしては公共機関および法人をカバーし、特にその中でも教育機関での利用を中心に据えた設計を施している。例えば、子どもが持ち運びやすいようにラバー加工のきょう体を採用した。またオプションのタッチスクリーンにより、小学校低学年などでキーボード入力がまだできない児童でも操作を可能にした。
このほか、ディスプレイ背面側にはネットワークへのアクセスを示す「ネットワークアクティビティライト」を設け、児童や生徒が授業中に不要なチャットなどの通信をしていないかを教師側から確認できるようにしてある(写真2)。本体の背面にネームプレートを入れる「名前ホルダー」を用意した点なども教育現場での利用に配慮した設計といえる。
Latitude 2100は、ライフサイクルを1年とうたっている点も特徴だ。一般にコンシューマ向けのネットブックは3カ月程度のライフサイクルで、次々にモデルチェンジを繰り返す。しかし、公共機関や教育機関で導入する場合、モデルチェンジが頻繁だと追加導入する都度に検証が必要になる。Latitude 2100ならば最低1年間は継続販売するため、その間ならば検証作業なしで追加導入ができる。
デルの教育機関向けを中心とした公共機関へのビジネスは、「全世界で150億ドルに上る売り上げ規模で、これはGAPやAmazon.comの売り上げに相当する。全世界で展開することで規模のメリットを生かし、ユーザーに先進的なソリューションを提供したい」(執行役員 北アジア地域 公共事業本部 統括本部長 Dell Inc.コーポレートディレクターの郡信一郎氏、写真3)。
今回、低価格なネットブックを教育機関向けに投入することで、国内でも今後やってくる児童生徒のパソコン1人1台時代を後押しする。さらにデルでは、ネットブックを端末としたシンクライアント・ソリューションなどを提案し、教育現場の情報化をいっそう進めたい考えだ。
当初、ディスプレイの解像度を1280×576ドットと記載していましたが、デルの発表文に誤りがあり正しくは1024×576ドットでした。本文は修正済みです。 [2009/05/21 16:42]