[EMC World 2009]「プライベートクラウドの構築を支援する」、トゥッチ会長が基調講演で宣言「企業が抱える情報は増え続ける。一方で経済環境の悪化で、システム関連予算は削減を迫られている。こうした状況をストレージを中心としたインフラ製品と仮想化ソフトの提供で支えるのが当社の基本方針だ」。米EMCの会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるジョー・トゥッチ氏は2009年5月18日(米国時間)、同社の年次カンファレンス「EMC World 2009」の基調講演に登壇。顧客企業からの要望に応える、次世代のインフラストラクチャとして「プライベートクラウドの構築を支援する」と宣言した。 「企業のシステム部門は今、数テラバイトのデータをコントロールしなければいけなくなっている。同時に短期間で高いROI(投資対効果)とTCO(総所有コスト)の削減が求められている」とトゥッチ氏は指摘する。この課題を解決するためのインフラの条件として、データの「保存」「保護」「インテリジェンス」「仮想化と自動化」を挙げる。 データを保存するストレージについてトゥッチ氏は「フラッシュメモリを利用した場合の価格を比較すると1年間で76%安くなっている」と説明する。フラッシュメモリを利用したストレージの活用により「コスト削減だけでなく、環境にもやさしくなり企業にとって大きなメリットになる」とする。 保存した情報に対しては「継続的に活用できるようにバックアップや、効率的に保存するためのインテリジェンスとして、ポリシーベースの情報保存が欠かせなくなる」と語る。こうした機能を持たせたストレージを仮想化したり、運用管理を自動化することで「企業の要求に応えられる環境が構築できる」とトゥッチ氏は説明する。 トゥッチ氏はさらに次世代のインフラストラクチャに求められる条件として、「バーチャルデータセンター」「クラウドコンピューティング」「バーチャルクライアント」「バーチャルアプリケーション」の四つを挙げた。 このうちバーチャルデータセンターとクラウドコンピューティングを組み合わせた「プライベートクラウドを構築する環境を支援する」とトゥッチ氏は強調した。トゥッチ氏が描くプライベートクラウドは、「インターナルクラウド」と「エクスターナルクラウド」の組み合わせだ。インターナルクラウドは、企業がコントロールしやすく、高い信頼性が求められるバーチャルデータセンターを指す。一方のエクスターナルクラウドは、オンデマンドでいつもで利用でき、柔軟性が高い、一般的なオンデマンド型のストレージサービスを指す。 トゥッチ氏は「インターナルクラウドとエクスターナルクラウドを組み合わせて仮想化し、両者の間で数百テラバイトの情報を移動できるプライベートクラウドが次世代のインフラストラクチャだ」と話す。エクスターナルクラウドとインターナルクラウドで、「セキュリティやアーカイブ、リカバリといった機能を区別なく利用できるようにする」。 米EMCは同社が提唱するプライベートクラウドの構築を支援するサービスとしてオンデマンド型のストレージサービス「EMC Atmos onLine」を同日、発表した。加えてクラウドサービス向けの製品「EMC Atmos」に、エクスターナルクラウドとインターナルクラウド間でデータを移動できる機能を追加した(関連記事)。 EMC Worldは5月18日〜21日まで米フロリダ州オーランドで開催。96カ国から7000人が参加する予定。 |