写真●米EMCでクラウドインフラストラクチャグループのバイスプレジデントを務めるマイク・ファインバーグ氏
写真●米EMCでクラウドインフラストラクチャグループのバイスプレジデントを務めるマイク・ファインバーグ氏
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 米EMCは2009年5月18日(米国時間)、オンデマンド型でストレージを提供するサービス「EMC Atmos OnLine」の提供を発表した。米EMCでクラウドインフラストラクチャグループのバイスプレジデントを務めるマイク・ファインバーグ氏は「増え続けるデータに困っているシステム部門の負担を軽減できる新サービス」と売り込む。

 5月18~21日まで米オーランドで開催中の米EMCの年次カンファレンス「EMC World 2009」で発表した。08年11月に発表した、クラウドコンピューティング向けのストレージシステム「EMC Atmos」をオンデマンド型で提供する。「セキュリティ管理機能や情報管理のポリシーを設定できる。他社のオンデマンド型のストレージ提供サービスと比較して、企業向け情報システムの要件を満たす」とファインバーグ氏は力説する。

 Atmos onLine上のデータとAtmos上で保存したデータを事前に決めたルールに従ってAtmosに移動する機能「EMC Atmos internal to external federation」を追加することも同時に発表した。

 Atmos onLineとEMC Atmosの新機能を組み合わせることで、「企業の情報保存の方法が柔軟になる」(ファインバーグ氏)とする。例えば米国の社会保障番号といった機密性の高いデータはAtmosを利用して構築したデータセンターのストレージに保存、それ以外のデータはEMC Atmos onLineに保存するといった利用方法を想定している。

 「社内で設定したポリシーを設定することで、システム部門はインターネット上の情報も含めてコントロールできるようになる」とファインバーグ氏は説明する。「企業内の情報をすべてインターネット上のストレージに預けたいと考えるシステム部門は少ないだろう。インターネット上のストレージに企業内の情報を格納する際にはセキュリティを気にする企業が多い。一方で増える情報量に対してどうやってキャパシティを確保するかも問題として浮上している。この両者を解決するのがAtmos onLineとfederationだ」と強調する。

 Atmos onLineは現在、プレビュー版が公開中。Atmosのfederation機能は09年第2四半期中に提供予定である。