米MicrosoftとLinux普及推進団体の米Linux Foundationは,アメリカ法律協会(ALI)が策定したソフトウエア契約法の原則草案に対する異議を明らかにした。同原則草案の承認を延期し,開発者やユーザーなどから広く意見を募集するよう要請している。

 両社が米国時間2009年5月14日にALIに提出した共同書簡では,ALIの原則草案には有益な要素が多数あるとした上で,「一部の条項は既存の法律を反映していない」と指摘。良好に機能している企業および消費者向けソフトウエア市場に混乱を招くほか,開発者の間に疑念が起こる可能性があるとの懸念を示した。

 MicrosoftとLinux Foundationは同書簡の中で,「我々はソフトウエアのライセンシングや配布について異なるアプローチをとっているが,実体的なビジネスとコミュニティを反映した健全で効果的なソフトウエア契約法の枠組みを求めていることでは,意見を共にしている」と記述している。

 米メディア(InfoWorld)によると,同原則草案は,裁判所がソフトウエア関連の訴訟において判断を下す際のガイドラインとして,2004年からALIが策定に取り組んでいたもの。5月19日の年次総会で最終案の承認作業を行い,可決すれば公布となる。草案策定には基本的にALIメンバーのみが参加し,公布までに一般公開は行わない。

[共同書簡(PDF文書)]
[Microsoft法律関連の公式ブログへの投稿記事]