NHK(日本放送協会)は2009年5月18日,インターネットを使って複数の人が映像コンテンツを共同制作できるシステムを開発したと発表した。

 NHKはこれまで,誰もが簡単にCGを使った映像コンテンツを制作し,インターネット上で公開するための手法として「TV4U(TV for you)」を開発した実績がある。TV4Uは簡単な作業で番組進行台本を作成でき,その進行台本に基づきCGキャラクターやスタジオセットの映像を生成することで,コンテンツを自動制作するシステムである。

 今回TV4Uの機能をさらに拡充し,ネットワークを経由して複数の視聴者が協力して制作できる環境を実現した。TV4Uで設定した仮想スタジオセット(CGスタジオ)に,設置するカメラ(CGカメラ)や出演するCGキャラクターなどをインターネット経由でリアルタイムに操作できる。

 複数のユーザーがCGカメラやCGキャラクターなどの役割を分担して操作することで,実際にカメラを操作しているような臨場感・一体感を味わえるという。また,これまでのTV4Uではできなかった生放送番組のような臨場感のあるコンテンツ制作を,多くの人がより身近に体験できるようになるという。

 今回発表したシステムでは,CGカメラやCGキャラクターをコンピューターが自動的に判断して状況に応じた動作をさせることも可能である。この機能を利用することで,操作するユーザー数に幅を持たせて柔軟に映像コンテンツを制作できる。なお,NHKは2009年5月21日~24日に開催する放送技術研究所の一般公開で今回のシステムを展示する。

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