写真●FLORA bd500の外観
写真●FLORA bd500の外観
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 日立製作所は2009年5月18日,1ラックあたり320台のクライアントPCを搭載できるブレードPC「FLORA bd500」を発表した。冷却効率の向上により,従来の2.3倍となる高集積を実現した。5月19日に販売を開始し,5月29日から出荷する。サポートするクライアントOSは,Windows Vista(Windows XPにダウングレードも可)。価格はブレードPC1台が税込み11万3400円から,40台のブレードPCを搭載するシャーシが税込み34万9650円から。

 シャーシ下部に電源冷却用のダクトを配置した構造や背面開口率の向上,CPUヒートシンクの改良などの措置によって冷却効率を高めた。これにより集積度を従来の2.3倍にした。具体的には,高さ5Uのラックマウント型シャーシに40台のブレードPCを搭載し,42Uの1ラックあたりシャーシ8台で320台のPCを搭載できる。既存機種では高さ3Uに14台,1ラックあたり140台までのブレードPCに限られていた。

 クライアント集約向けのサーバー・ソフトウエア群をあからじめ数枚(4枚)のブレードPCにプリインストールしたパッケージ製品も用意した。「オールインワンパック」と呼ぶ。同社製ブレードPC向けの管理ソフト「FLORA bd Link」に加えて,Windows環境のユーザー管理用サーバー「Active Directory」や,ユーザーを適切なクライアントPCに接続させる機能を備えたミドルウエア「Citrix XenDesktop」などを提供する。XenDesktopを使うと,ユーザーのデスクトップ環境を外部ファイル・サーバーに配置しておき,空いている任意のブレードPCにロードして利用する使い方も可能になる。

 ブレードPCとは,独立して動作する複数台のクライアントPCをデータセンターに集中配置して,オフィスのエンドユーザーからリモート操作できるようにしたハードウエアである。個々のクライアントPCをデータセンターで一元集中管理することで,クライアント管理コストを削減できる。使用していないPCの電源を切ったり,稼働しているPCの台数に応じて電源供給を増減するなど,省電力効果も見込める。