CSKホールディングスは2009年5月15日,2008年度(2009年3月期)の業績を発表した。売上高は前年度比14%減の2060億9900万円。営業損失1230億6600万円となった。当期純損失は1615億2900万円である。決算の説明にあたった鈴木孝博取締役副社長は「大幅な赤字というとても不本意な結果」と語った。

 1230億6600万円の営業損失のほとんどは,金融サービス事業(1156億1000万円の営業損失)と証券事業(78億6000万円の営業損失)によるもの。本業の情報サービス事業で得た87億8000万円の営業利益が,金融不況の直撃を受け吹き飛んだ格好だ。CSKは金融サービスとして不動産などへの投資やベンチャー・キャピタル事業などを手がけてきたが,「早急に縮小や売却などを進めていく」(鈴木副社長)とした。

 本業の情報サービス事業の売り上げは,前年度比3.9%減の1907億9000万円となった。クレジット会社や生損保など向けのシステム構築/運用などは堅調だったが,製造や通信向けのシステム構築/運用や製品検証サービス,証券向けASPなどが奮わなかった。コンタクトセンター案件の新規開拓も伸び悩んだ。

 2009年度以降,3つの基本方針に沿って再生を進める。1つめは「財務リスクの低減」。金融サービス事業の縮小や資産売却,投資案件の凍結などを行う。資本増強策も検討中という。ただし「引受先をどうするか,といったような具体的な話はない」(鈴木副社長)とした。

 2つめは「事業の再構築」。情報サービス分野を中心に,グループ各社の不採算事業やシナジー効果が薄い事業の縮小や撤退を進める。「これらを積み上げると,2009年度に営業利益を約33億円改善できる見込みだ」(同)という。3つめは「徹底したコスト削減」。設備関連コストや人事関連コストなどで,同じく約65億円の削減を計画する。

 今期の顧客のIT投資について鈴木副社長は「IT投資抑制の傾向はあるが,当社は顧客のシステムの中でも,特に継続的な投資が必要な基盤部分の構築や運用を任されている。全体としてみれば急激な落ち込みはないだろう」との認識を示した。2009年度の業績予想は,売上高1950億円,営業利益16億円,経常利益31億円とした。