米国立科学財団(NSF)は,2010会計年度の予算要求額を前年度比8.5%引き上げ,70億4500万ドルとすることを米国時間2009年5月14日に発表した。増額分の5億5500万ドルは,科学インフラ,研究促進,人材への主要投資に当てる。

 IT分野では,サイバーセキュリティ関連の研究と教育に1億2670万ドル,サイバー攻撃への対策プログラム「Comprehensive National Cybersecurity Initiative」に特化した研究に4000万ドルを助成する。

 また,大規模ネットワーク構築や,高度コンピューティングおよびコミュニケーション技術が社会・経済・雇用に及ぼす影響などの研究に11億1080万ドル,「ムーアの法則」の限界突破に向けた研究開発に4670万ドルを注ぐ計画。

 そのほか,地球温暖化対策の研究や教育,国土安全保障に関する取り組み,人材育成などを支援する。

 NSFは,Barack Obama米大統領政権の科学技術政策「Plan for Science and Innovation」に沿って,2016会計年度の予算を2006会計年度の2倍にすることを目指している。今回発表した要求額はこの方針に沿った金額という。

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