三洋電機は2009年5月13日、「電子薬歴一体型保険調剤薬局システム」を開発したと発表した。レセプト作成用コンピュータに、患者の問診情報や服薬指導内容などを記録する薬歴簿の作成・管理ソフトを一体化した。09年4月下旬に先行出荷を始め、5月14日から本格的に販売する。価格は460万円から。初年度に800システムの販売を目指す。

 電子薬歴一体型保険調剤薬局システムは、同社が提供するレセプトコンピュータ「Pharnes」と電子薬歴管理システム「DrugstarCereb」を同じサーバー上で利用できるようにした製品。薬局内の省スペース化を図るのが狙い。これまでレセプトコンピュータと電子薬歴管理システムは分離して導入することが多かった。

 レセプトコンピュータを利用する保険薬局は09年4月の調剤分から、レセプト請求の手段としてオンライン請求が義務付けられた。09年2月調剤分のレセプトの電算処理状況は薬局の施設数ベースで84.7%、請求件数ベースで97.8%と、電子化の割合が高まっている。電算処理とはレセプトを電子媒体やオンライン経由で請求すること。

 薬歴については、まだ紙で記録している薬局があるという。レセプト処理のIT化の流れを受け、電子薬歴管理システムの普及も加速すると同社は見込んでいる。