NTTデータは2009年5月13日、金融分野担当の岩本敏男取締役常務執行役員(56)と技術部門を率いる山田伸一常務執行役員(57)が代表権を持つ取締役に就く役員人事を発表した。6月23日の株主総会の承認を得て正式に就任する。

 代表権を持つ取締役は、山下徹社長(61)と、国際事業や営業などを担当する榎本隆副社長執行役員(56)を含め1人増の4人となる。岩本氏は代表取締役副社長執行役員に、山田氏は代表取締役常務執行役員に就く。重木昭信代表取締役副社長執行役員(58)は取締役を退任し顧問に就く。

 榎本氏と岩本氏、山田氏は、7月1日付で発足する三つの社内カンパニーを統括する。岩本氏は行政、医療、金融、決済といった社会インフラ関連のサービスを提供する「パブリック&フィナンシャルカンパニー長」を務める。榎本氏は、製造、流通、サービスといった企業にシステム開発やアウトソーシングなどを国内外で提供する「グローバルITサービスカンパニー長」に就く。山田氏は、サービス提供を支える基盤・ソリューションを開発・提供する「ソリューション&テクノロジーカンパニー長」を務める。

 山下社長はカンパニー制を採用する狙いについて、「開発手法や経営資源はこれまで通り全社で統一してスケールメリットを生かしつつ、意思決定などの権限をカンパニー長に委譲することで経営スピードを速めたい」と説明する。

 NTTデータは5月12日、2012年度(2013年3月期)の連結売上高を2008年度比3割増の1兆5000億円まで引き上げる中期経営計画を発表している。海外売上高は4年間で5倍増の3000億円を目指すなど強気の計画だ。目標達成には、山下社長と3人のカンパニー長がリーダーシップを発揮することが不可欠である。