ITホールディングス(ITHD)は2009年5月13日、2012年3月期までの中期経営計画を発表した。同期までに売上高4000億円、営業利益350億円の達成を目指す。ITHDは2008年4月にTISとインテックホールディングスとの経営統合で共同持ち株会社として設立。今回が初の中期経営計画となる。

 2007年12月の経営統合発表時点では、2011年3月期までに売上高4000億円、営業利益で400億円を目指していた。今回の計画では実現時期を1年遅らせ、営業利益を50億円下方修正した。ITHDの岡本晋社長はこの点について、「経営統合の発表時点では昨今の経済状況を予想できなかった。個人的には控えめな目標だと思う。必ず達成することを約束したい」と説明した。

 目標達成のため、既存のデータセンター事業、ソフトウエア開発のほか、主に中国市場をターゲットとした海外事業、クラウドコンピューティング関連の新規事業に注力していくことを示した。

 データセンター事業では、日本最大級のデータセンター保有企業になることを目指す。2012年3月期までに2万4000平方メートル増床し、総面積12万6000平方メートルにする計画だ。2011年4月には中国の天津や東京・御殿山などに新規データセンターを開設する。

 ソフトウエア開発では、ITHDグループで顧客を選定。発注額の20%超をITHDに依頼する優良顧客を新たに20社増やす。旧TISと旧インテックホールディングスの共同受注案件を3年間累計で600件獲得し、グループのシナジー効果を出す。

 海外事業では海外企業と提携を進め、グローバルなアウトソーシング案件の受注を目指す。新規事業では、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、HaaS(ハードウエア・アズ・ア・サービス)といった事業で250億円を売り上げる計画だ。

 ITHDの2009年3月期(2008年4月~2009年3月)の決算は、売上高が3383億200万円、営業利益が237億8700万円、経常利益が236億400万円、当期純利益が94億600万円だった。前年同期の旧TISと旧インテックホールディングスの業績を単純合算した数値と比較すると、売上高が4.9%増、営業利益が19.1%増、経常利益が18.3%増、当期純利益が8.5%増となった。