図 提案の概要
図 提案の概要
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 3セグメントを利用したマルチメディア放送の推進に向けた活動を進める「マルチメディア放送ビジネスフォーラム」は2009年5月12日,第4期第2回総会を開催した。この中で,各WGが活動成果の報告が行われた。

 地方ブロック向けマルチメディア放送WGは,2011年7月以降に実用化が想定されるアナログ放送の跡地を利用したマルチメディア放送のうちVHF帯ローバンドの18MHz幅が割り当てられる地方ブロック向け放送について,周波数配置の新しい提案を行った。

 従来の一般的な考え方(例えば,「携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会」報告書など)では,18MHz幅がちょうど「6MHz幅(放送の1チャンネルと同じ)×3」となることから,18MHz幅を三つに分割(3色に分割,1色は13セグメント)し,各地域ブロックごとに6MHzを割り当てるというものだった。この案では,各ブロック間での電波干渉を避ける形で割り当てると,全国的に利用できる周波数幅は一律に6MHz(つまり13セグメント=1色)となる。

 一方,WG案は各ブロックで利用できるセグメント数を13ではなく9に絞ろうという提案である。この結果,4色を利用して各ブロックに周波数を配置できるようになる。3色に対して余分に増える1色分を,関東・甲信越と近畿にそれぞれ割り振ることが可能になるというのが提案のミソである。利用できる帯域幅は,全国的には9セグメントとなり,関東・甲信越と近畿という市場規模の大きな地域では18セグメントとなる。