OKI 常務執行役員 鈴木久雄氏
OKI 常務執行役員 鈴木久雄氏
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情報通信セグメントの売上高と営業利益
情報通信セグメントの売上高と営業利益
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 OKI(沖電気工業)は2009年5月12日,2008年度(2008年4月~2009年3月)の決算を発表した。連結売上高は5457億円で前年度比24.2%減,連結の営業利益は4億円で同93.4減となった。2008年10月に半導体事業をロームに譲渡したため,売上高が前年度比841億円減少した。半導体事業を除いた売上高も経済危機の影響や円高,郵政向けの民営化需要の一巡により899億円減少した。ただし,情報通信セグメントは黒字転換したという。連結純利益は前期の6億円の黒字から,「棚卸資産の評価に関する会計基準の適用」にともなう評価損を計上したことなどにより今期は450億円の赤字となった。

 情報通信セグメントの2008年度売上高は3023億円で前年比15.8%減。しかし営業利益は70億円で前年の17億円の赤字から黒字転換した。「景気後退により減収となったものの,コスト削減を進め利益を改善した」(鈴木久雄常務執行役員)。

 情報通信のうち,金融関連では金融機関向け営業端末およびATMで増収。郵政向けと流通向けATMは減益となった。通信関連ではGE-PONの出荷台数は増加。情報システム関連では,顧客の設備投資減により減収となったが,低採算事業の縮小などにより収益力は改善したとしている。

 2009年度(2009年4月~2010年3月)の予想は連結売上高が4600億円で15.7%だが,コスト低減などにより営業利益は136億円増の140億円を見込む。

 情報通信セグメントの2009年度の計画は,売上高が前年比232億円減となる2800億円だが,営業利益は前年比50億円増の120億円を計画している。「固定費の削減および調達コスト低減のほか,中国向けATMの増収を見込んでいる」(鈴木氏)という。