写真●日本アルカテル・ルーセントのデータ通信カード「OmniAccess 3500 Nonstop Laptop Guardian」
写真●日本アルカテル・ルーセントのデータ通信カード「OmniAccess 3500 Nonstop Laptop Guardian」
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 日本アルカテル・ルーセントは2009年5月12日、遠隔操作でノートパソコンのデータ消去が可能なデータ通信カードを発表した。第3世代携帯電話によるデータ通信機能を持ったPCカードで、カード内に充電池、プロセッサ、メモリー、Linux OSを搭載。このカードがノートPCにインストールしたクライアントソフトと連携して、遠隔地からのデータ消去や操作ロック、セキュリティパッチの適用などを実行する。6月にもインターネットイニシアティブ(IIJ)経由で発売する。

 製品名は「OmniAccess 3500 Nonstop Laptop Guardian」(OA3500NLG、写真)。ノートPCに搭載するPCカード、クライアントソフトと、企業のLANに設置するゲートウェイ装置からなる。これらが連携することで紛失・盗難時の遠隔データ消去をはじめとした、様々な遠隔管理機能を利用できる。

 最大の特徴はPCの電源が切れた状態でも遠隔管理機能を使えることだ。OA3500NLGのデータ通信カードは充電池を搭載し、約80時間の待ち受けが可能。データ通信カードが様々な命令を受け取ることで遠隔管理を実現する。例えばデータ消去では、データ通信カード内に保存したハードディスク・ドライブ(HDD)の暗号化キーを消去。HDD内の情報を復号できなくする。

 HDDの暗号化にはOA3500NLGクライアントソフトが搭載する標準機能か、マカフィーのHDD暗号化ソフト「McAfee Data Protection」を利用できる。前者はHDD内に仮想ボリュームを設定し、そのボリュームのみ暗号化する。後者はHDD全体を暗号化できる。OA3500NLGのデータ通信カードが抜き取られた場合は、操作を自動的にロックする。加えてHDDの暗号化キーはデータ通信カード内にあるため、仮想ボリュームやHDD内は読み取れなくなる。

 このほか、管理機能としてノートPCの位置情報の取得、セキュリティパッチの自動適用などを備える。データ通信カードにGPS(全地球測位システム)を搭載し、その現在地を管理者は捕捉できる。セキュリティパッチの適用機能を使うと、PCの電源が入ったときにパッチを自動適用できる。この際、データ通信カードに搭載したマイクロSDカードにパッチデータを事前に送っておく。

 価格は「製品をレンタルで提供する月額課金サービスになる。詳細な料金は近日中にIIJから発表する」(平井賢吾エンタープライズソリューション事業部長)とする。